子供の視点から描かれることで、大人という強権から下される判断・解釈と実質の乖離が表現されていたように思う。主人公が大人たちから理不尽な目に遭わされ続けて結果的に非行に走っていく(それも様々な不安や葛藤を抱えながら)姿が見ていて悲しい。少年院に送られる車内でパリの街を見つめながら黒い画面の中に涙が一筋反射するシーンが印象的だった。監督自身の幼少期の体験が反映されているらしい。